※「セックス=挿入ではない」ということを大前提としながら、ここではEDで悩んでいる方、パートナーのEDは自分のせいなのかも?と悩んでいる方などに向けて、EDについての基礎知識を紹介しています。
広告などから受ける印象によって、ED=中高年男性の悩みというイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし20〜30代の約5人に1人は軽度〜中程度のEDの悩みを抱えているという調査結果もあるほど、実はEDに悩む若者は多くいます。EDは決してめずらしいことではなく、誰にでも起こりうることです。
ED(Electile Dysfunction)は男性性機能障害のひとつである勃起不全のことで、満足な性行為を行うための十分な勃起が得られない状態を意味します。性欲はあるのに全く勃起しない、硬さが不十分、勃起が持続しないなど、症状の程度はさまざまです。
EDの原因は?
EDの原因は大きく分けて心因性と器質性の二つに分けられます。
・心因性(心理的な原因)
精神的なストレスがあると神経の性的な興奮がうまくペニスに伝わらず、EDが起こりやすくなります。若者のEDの原因はほぼ心因性です。例えば初体験で上手くいかず、それがストレスになり引きずっている、コンドームを着けると萎える、身体だけの関係ならできるけれど好きな人とはできない、妊娠や性感染症が怖くて挿入できないといった相談が非常に多いといいます。仕事やSNSでのストレス、妊活のプレッシャーなども原因になっているようです。
・器質性(身体的な原因)
加齢や動脈硬化、神経系などの疾患が原因で起こります。動脈硬化になると血管が十分に拡がらず、血液の循環が悪くなるためEDが起こりやすくなります。他にも喫煙や高血圧、心臓病なども勃起機能の低下に繋がります。神経系の原因は骨盤骨折や骨盤の手術を受けたあとの神経の損傷です。若くても転倒事故などによる影響が出る場合があります。器質性の原因は30歳を過ぎると増加傾向にあるといいます。
EDを改善するには?
心因性の場合は不安や緊張を取り除き、リラックスできる状態を作り出すことが必要です。考えすぎないことやネットで調べ過ぎないことも実は大事なこと。AVを参考にするようなセックスは避け、行為中はできるだけ無心で快感を味わうことに集中するように心がけましょう。また、パートナーに言いにくいかもしれませんが、EDの悩みを相手に伝えることで不安が和らぎ、自信の回復に繋がることも。
心因性ED改善の方法としてはED治療薬の服用も挙げられます。ED治療薬を服用することで実際に十分な勃起ができればそれが成功体験となり、性行為に対する不安やプレッシャーの軽減になります。
器質性EDの場合は、原因となる疾患の治療や生活習慣の改善が必要です。睡眠時間を多く取る、適度な運動、禁煙やお酒の量を減らす、バランスの良い食生活を心がけることなどが、EDの改善には欠かせません。ただ生活習慣の改善は効果が出るまで時間がかかるため、ED治療薬を併用することが多いようです。
ED治療薬について知っておきたいこと
ED治療薬について間違ったイメージを持っている人も多いかもしれません。まず、ED治療薬は飲んだからと言ってずっと勃起し続けるわけではありません。あくまで勃起をサポートする薬なので、性的刺激があって初めて作用します。また、一度飲み始めると薬なしでは勃起できなくなるのでは?という心配があるかもしれませんが、ストレスなどからくる心因性EDの場合は、何度かED治療薬を使って自信を取り戻すことで、薬が必要なくなることもあります。
それからED治療薬は医師の処方が必要な医薬品です。インターネットなどで販売されている個人輸入の薬には異なる成分が混入していることがあり、健康被害が懸念されます。必ず医師の診察を受けるようにしましょう。最近はオンライン診療に対応する医療機関も増えています。