性の悩み、それは誰にでもあるもの。
特に 10 代、20 代に多い悩みや相談に、
SEXOLOGY の専門家チームが答えます。

よくある悩み

自分の母親が以前と比べて元気がなく、家事をやるのもなんだか辛そうで、もしかしたら更年期障害かもしれません。どんな風に接すればいいですか?

更年期障害になると、今までできていたことが億劫になり、やる気を失ってしまうことがあります。家族で協力して日常生活をサポートしたり、気分転換になるような趣味や散歩などを促してみたり、話をよく聞いてあげたりしてみましょう。また、婦人科への受診を勧めてみることも大切です。

どうやったらストレスはなくなる?

人間関係、勉強、進路など、思春期にまつわるストレスはたくさんあります。多くの場合、ストレスの要因そのものを消すことはできません。ストレスを消すことはできなくても、コントロールすることはできます。まずは自分の悩みがどこからくるのか紙に書き出して整理してみるのもオススメです。何をストレスと感じるのか、どうしたら解決できそうか?友達に相談するだけでなく、自分と相談する”じぶん会議”をしてみませんか。自分の気持ちを整理することでストレスをコントロールできるようになります。

背が低くて悩んでいます

思春期には周り友だちの背がどんどん伸びて、自分の成長に不安になるかもしれません。でも背の高さは成長期をすぎると、変えることができないもの。身長もあなたのからだの個性の一つ。あなたの価値は背の高さでは決まりません。もしも背の高さで人を判断するような価値観を持った人に出会ったとしても、それに心が引きずられる必要はありません。

早漏は治りますか?

3人に1人の男性が悩んでいると言われている「早漏」。TENGAを使ってのトレーニングやペニスへの麻酔薬の塗布などが有効との報告もありますが、医学的な早漏の治療薬はありません。そしてそもそも「治す」必要もありません。セックスは「ペニス」や「ピストン運動」「射精」がすべてではありません。そこにとらわれていたら豊かなセックスはできません。重要なことはお互いにどんなセックスが気持ちがいいのかということを伝え合って、一緒に二人だけのセックスの形をつくることです。それによって互いの身も心も満足いくセックスができるわけです。もし「早漏」であることをバカにされたりしたら、そんなパートナーとの関係は考え直してみてください。

胸が小さくて悩んでいます

まず、医学的には胸の大きさは健康になんら関係ありません。ただ、グラビアアイドルがもてはやされ、不自然に胸の大きなアニメキャラクターがあふれる中で、不安になる気持ちはよくわかります。でも美の価値観や性的な好みは人それぞれ、大きい方が良いという思い込みを捨ててみませんか。もしもこの先、胸の大きさで人を判断するような価値観を持った人に出会ったとしてもあなたはあなたの価値観に自信を持ってください。

ペニスが小さいことに悩んでいます

ポルノでは、ペニスのサイズが大きいことが良しとされる表現が多いものですが、実際はそんなことはありません。すべての女性、男性がセックスにおいて大きなペニスを望んでいると思うのであれば、それは大きな思い込みです。まずはメディアやポルノによる刷り込みを捨てましょう。セックスはパートナーとのコミュニケーション、ペニスの大きさだけがコミュニケーション手段ではありません。

アンダーヘアは剃るべき?

まず、基本的に脱毛はビジネスです。煽り言葉に気をつけましょう。また、お産に関する国際的な指針でも、出産の時に毛を剃ることは不要とされています。アンダーヘアはないほうが衛生的、との意見もいまいち疑わしいものです。ヴァルヴァと同じくアンダーヘアの薄い濃い、カタチや生え方も人それぞれ。もしもアンダーヘアが多すぎて不快だったり、整えたいと思うのであれば、注意して行いましょう。皮膚が弱い人は、自分でカミソリで手入れをしてしまうと痒みやかぶれを生じることも。その搔きむしりから感染症にいたることもあります。また生え途中の毛がチクチクして不快になることもあるので注意が必要です。

よくある悩み

奥まで入りすぎて、取れなくなったりしないの?

腟の奥にある子宮の入口は、直径約2~3mmなので、直径3〜5cm程度ある月経カップが奥まで入ることはありません。

たくさん種類のある月経カップ。どうやって選んだらいいの?

万が一のトラブルを想定し、医療機器としての基準をクリアしている、製品説明に「医療機器」と明記されているものを選ぶと安心です。サイズ表記はメーカーによって異なりますが、挿入に不安がある初心者の方にはSサイズ(サイズ1)がおすすめです。

ピルを飲むと太るってほんと?

ピルを飲むと体重が増えるという話はよく聞きますが、実際にはピルによる体重増加の根拠はありません。ただ、初期に出やすい副作用として身体に水分が溜まりやすくなることがあります。ピルの種類を変えることで解決することがありますので、ドクターに相談しましょう。

月経中のセックスはOK?

月経中のセックスは、性感染症の感染リスクが高まります。月経中は腟も子宮もデリケート。経血に直接触れることでパートナーも感染のリスクが高まります。また、月経中のセックスは妊娠しないとの噂もありますが、妊娠の可能性もあります。どうしてもする場合は、もちろん必ずコンドームをしましょう。また、もしもセックスをしたくない場合は相手にNOと言える関係性を築くことも大切です。

月経じゃないのに出血することもある?

もしも気になる量の出血があった場合は、すぐに婦人科へ行きましょう。人によっては、ホルモンバランスの関係で出血したり、排卵時に出血することもあり、その場合は問題ありません。ただ、ネットでの検索だけで、その出血が危険なものかどうかは判断することは難しいです。気になることがあれば、迷わず婦人科で相談しましょう。

よくある悩み

ジェンダーの悩みを親に言えません

近年でジェンダーへの価値観は急速に変わってきました。あなたの親より上の世代は、ジェンダーという言葉すら知らないかもしれません。長年にわたって刷り込まれた価値観や差別意識を変えることは簡単なことではなく、あなたがもしもトランスジェンダーだったら、その理解に苦しむかもしれません。ただ、悪いのはあなたでも親でもなく、そのような価値観を築いてきてしまった社会です。今、社会はもっと良い方向へ変わろうとしています。ジェンダーの悩みを相談できる存在は親だけではなく、たくさんいます。ネットでも気軽に世界中の同じ悩みを持った人とも共感することもできます。また相談窓口で第三者に話を聞いてもらうこともできます。親にも理解してもらいたいのであればそのためにまずは親ではなく第三者に相談するといいかもしれません。

トランス女性が女性スポーツに参加するのは不公平ではないでしょうか?

スポーツとひと括りに言っても、学校教育レベルなのかオリンピックなど競技レベルなのかによっても状況が異なります。そもそもトランスジェンダー当事者はスポーツから排除されている状況です。

トランス女性が女子競技に参加したらメダルを独占してしまうのではないか?とよく言われますが、例えば東京2020オリンピック大会に出場した約5500人の女性アスリートのうち、トランス女性の選手は一人でした。これは全体の0.018%にあたり、人口の1%にも満たないといわれるトランスジェンダーの人口比に比べるとはるかに少ない数字です。この数の少なさからも、トランス女性がメダルを独占するというのは非現実的といえるでしょう。

スポーツ競技では特に男性から女性へ性別変更した選手について、公平性を巡り基準の試行錯誤が続いています。ただ、トランス女性だけがスポーツ界で活躍する可能性を閉ざされることはあってはならないことです。

パートナーシップ制度の有効期限はあるの?

自治体によって異なり、永年の場合もあれば、10年や30年の場合もあります。また、登録した自治体を離れる場合は証明書や受領書を返却する必要のある制度が多いです。ただ近年はパートナーシップ制度の相互利用連携が広まってきているため、そのまま使い続けることが可能なケースも増えてきています。

同性カップルやトランスジェンダーでも子どもは持てますか?

現在の日本で、同性カップルで子どもを育てている人は実際にいます。以前に付き合っていた異性の人との子どもを今は同性カップルで育てていたり、他者から卵子や精子を提供してもらって体外受精で子どもをもうけたり、パートナーの片方が養子を迎えたり、2人で里子を育てたり。日本ではまだ同性同士の婚姻が制度化されていないので、同性カップルが同時に1人の子どもの親権を持つことはできません。トランスジェンダーとシスジェンダーのカップルで戸籍上異性同士ならば、婚姻をして一人の子どもの親権を共に持つことができます。世界では同性婚が制度化されている国はたくさんあり、年々増えています。それに伴って社会のあり方も性の多様性を尊重する雰囲気に変わってきています。例えばネットフリックスの海外ドラマでも、登場人物の両親が女性同士や男性同士であったりすることがあくまで「普通のこと」として描かれています。これは現実の社会状況を反映させたものでもあります。

恋人を欲しいと思わないのって変?

全く変なことではないですよ。安心してください。周りがみんな恋愛にのめり込んでいると、恋愛こそ人生、のような錯覚に陥ってしまうかもしれませんが、人生において恋愛は中心にあるものではありません。自分が人と違っていても心配ないです。異性にも同性にも性的魅力を感じない人たちのことを、「アセクシャル」と呼ぶこともあります。セクシュアリティは人生を通して変わっていくものでもあるので、カテゴリーにとらわれ過ぎずに、自分の気持ちをゆっくりと観察してみてください。

よくある悩み

自分がEDなのかどうか分かりません

EDは程度も症状も様々なため、自己判断が難しい部分がありますが、「自分にとって性生活に支障があり日常的に困っている」と感じたらEDと言えます。いきなりクリニックに行くのはハードルが高いかもしれませんが、最近はオンライン診察や医師にチャットで相談できるサービスもあります。ネットで不確実な知識を増やすよりは、一度きちんと泌尿器科医などの専門家に相談をすることをおすすめします。

パートナー(女性)がセックスのとき痛そうですが、男性側としてどうしてあげたらいいのか分かりません

大切なパートナーが痛みに悩んでいることを知って、心配な気持ちが溢れたりセックスをすることが怖くなったりということもあるかもしれません。気づいて、気に留めて、心配したりためらったりできることは素晴らしいことです。まずは気づいて気に留められたことを誇りに思ってください。性交痛は、知識を身に着けてそれを実践することで乗り越えていくことができます。リラックスして、知っていってほしいと思います。

まず何よりも大切なのは無理をしないことです。痛みの原因は様々なものが考えられます。例えば、この記事で紹介した原因のほか、手荒なタッチや激しいピストン運動、早すぎる挿入のタイミング、挿入時の角度の誤り、合わない体位、性器のサイズ問題などがありますし、時には複数の原因が同時に関係していることもあります。

パートナーからどんなときにどこが痛いか、何か不安や心配に思っていることがないかなど、ゆっくり話を聞いてみてください。改善できるヒントが隠れているかも知れません。痛い場所だけでなく、どんなときにどこが気持ちいいかを聞いたり伝えたりして、挿入にこだわらずお互いの気持ちいいことを中心に行動してみると、自然と痛みを回避できる工夫が生まれてくることもあります。

性交痛で挿入が辛い

性交痛の原因はさまざまです。加齢などによるうるおい不足だけではなく、婦人科系疾患が関係して痛みを感じることもあります。

また、生まれつきの性器の形状や構造が原因だったり、セックスへの恐怖心など心理的な原因で性交痛がでることもあります。

潤滑剤をつかうことで軽減されることもありますが、一度病院で診察をうけてみることをおすすめします。

セックスのことばかり考えてしまう

セックスに興味をもつこと、セックスをしたいと思うことは、おかしなことでも悪いことでもありません。でも、もしも、あなたがリスクをおかしてまで、性行為やマスターベーション、性にまつわる趣味嗜好がやめられない場合は心配です。お金がないのに風俗通いをやめられなかったり、仕事をすっぽかしてまで性行為にふけってしまったり。「やめたいのにやめれない」「コントロールできない」と感じたら注意が必要です。そういった気持ちがエスカレートした先に、痴漢や売買春などの性犯罪に巻き込まれる可能性があります。また、「性嗜好障害」(セックスへの依存症)という病気の可能性もあります。そういった病気専門にする精神外来や、サポートするための自助グループもあります。まずは自分の性欲がどの程度のものか、冷静に見つめてみましょう。

女性もみんなオーガズムを感じるもの?

ポルノでは、セックスですべての女性がオーガズムを得ることがあたりまえのような表現が描かれることが多いですが、実際には男性と違い、女性のオーガズムは曖昧なものです。人によって感じ方が違ったり、気づかないこともあるくらい。セルフプレジャーでは感じるけれどセックスでは感じにくい人もいます。そしてもちろん、女性が快感を追求することは全く悪いことではありません。相手に自分のしてほしいことを伝える、自分も相手に聞いてみるなど、パートナーと話してみることもオススメです。

「性的同意」があいまいなとき、どうすればいい?

「性的同意」を確認することは、安心してセックスを楽しむ上で大前提です。同意を確認するところからセックスは始まっていると言ってもいいくらいです。もし、「性的同意」を確認できないような状況(酔っ払っていたり、相手が眠そうなときなど)にはセックスしないことをオススメします。同意のない、あいまいなセックスは性暴力、性犯罪になり得るからです。加害者にも被害者にもならないために、必ず「性的同意」を確認しましょう。

性的同意、どんな言葉で聞けばいいの?

性的同意を頭で理解しても「具体的にはどうやって確認すればいいの?」「セックスしそうな雰囲気の時に、なんて言えばいい?」と悩むかもしれません。たとえば、性的同意を確認するところからセックスは始まっていると考えてみるのはどうでしょうか。「したいけど、どう?」「今日はしたいな」という言葉が、良いセックスの雰囲気づくりにもなるかも。

よくある悩み

マスターベーションは悪いこと?

性的な気持ちになったり、ファンタジーや欲望が湧いてくることは自然なもので、恥ずかしいものではありません。マスターベーションはセルフプレジャーとも言います。どこをどう触ったら気持ちいいかを追求することは、自分の体を知ることでもあり、大切なことです。もちろん、欲望が湧かなかったら、しなくても良いのです。

マスターベーションのやりすぎで死ぬ人がいるって本当ですか?

全くの嘘です。“テクノブレイク”と検索するときっと恐ろしい情報がネット上でたくさん出てきますね。でもこれは完全なる嘘、都市伝説のようなものです。医学的事実ではありません。その他にも、マスターベーションをしすぎると、身長が伸びなくなる、頭が悪くなる、ニキビが増える、など色々な噂がありますがこれらはすべて嘘です。ご安心を。

女性はマスターベーションしないものですか?

そんなことありません。女性でもマスターベーションをすること、性欲があるということは人間として普通のことで、恥ずかしいことではありません。男性に比べるとマスターベーションの話題に触れることがあまりないのでマスターベーションをする女性が少なく感じるかもしれません。ただ、これはとってもプライベートなこと。男女問わず、マスターベーションのことを公共の話題に持ち出したり、親しくない相手に興味本位で聞き出したりすることはマナー違反です。

子どもの頃からマスターベーションをしているけどおかしい?

全くおかしくありません。実は、1歳~5歳の幼児期にとっては、マスターベーションは指しゃぶりのようなもので、非常によくあることです。性器を触ると気持ちがいいということは人間として正常で健康なこと、自分を大切に感じる行為です。もしも子どもの頃に大人から叱られた経験があったとしても気にせずに。その世代は正しい性教育を受けてこなかったからです。海外では、幼児のマスターベーションは性教育を始めるのに良い機会になるとも言われています。ただ、マスターベーションはプライベートな行為なので、プライバシーが確保された一人の空間で行うようにしましょう。

よくある悩み

「安全日」なら妊娠しない?

まず、女性の体に100%妊娠しづらい「安全日」という日はありません。あなたは自分の排卵(いちばん妊娠しやすい日)がいつ起きたかを正確に把握できますか?基礎体温を計っていないと、正確には把握しづらいのが排卵日。そこから逆算して予測した生理前の時期が「妊娠しづらい期間」にあたります。でも、これはあくまでも予測でしかないのです。なので、妊娠を望まない場合はからなず避妊をしてくださいね。

高熱を出すと精子が死ぬってホント?

精子は熱に弱いため、高熱を出した直後、サウナに入った直後などは精子の数が著しく減少することがあります。ただ、それは一時的なもので、2、3ヶ月ほどで回復します。高熱で精巣にダメージを与えることは確かですが、「40度の熱を出した人は100%全員不妊症になる」という解釈は誤解です。

出産は若ければ若い方がいいの?

答えはノーです。成人前の妊娠は「若年妊娠」と言われており、医学的にも母子への負担が大きいと言われています。18 歳以下の体はまだ未発達なため、流産・早産になりやすかったり、子宮内で胎児が育ちにくい可能性が高くなる身体的なリスクがあります。
もしもあなたが18 歳以下での妊娠や出産を考えているのであればそのようなリスクを知っておくことは大切です。

よくある悩み

何歳から凍結を考えた方がいいの?

一概には言えませんが、不妊を専門にしている産婦人科医たちの意見としては、30歳を超えてからでいいのではという意見が多いようです。卵子は年齢とともに老化し数も減少するため、凍結する年齢は若いほうがよいといえますが、20代の人たちがいますぐに凍結しておかなければいけないということはほぼないようです。また、凍結した卵子の保管料の問題も発生します。保管期間が長ければ長いほど保管にかかる費用も必要になってくるため、妊娠率の低下と保管費用の面など、バランスを見ながら卵子を凍結するタイミングを考えていく必要があります。

未婚のパートナーと妊娠や出産の話をしづらい

妊娠や出産についての話をすることに躊躇する人は少なくありません。話しやすい空気を作るためには、いきなりそのトピックを切り出すのではなく、家の購入や貯蓄計画などお金の話をしているときに、または、自分の仕事や、将来のキャリアについて話をしているときに「子どものことはどう考えてる?」と軽く振ると聞きやすいかもしれません。

将来子供が欲しいけれど何才まで産める?

医学的見地からみると、妊娠・出産の適齢期は20代です。男性も35歳くらいから妊孕性は落ちてきます。35歳頃から妊娠率が下がり、流産や妊娠合併症の比率が高くなっていきます。自然流産の確率は30〜34歳までが10%。35〜39歳では20.7%にあがると言われています。したがって、自分は何歳までに何人子どもがほしいのかということを考えて、逆算してみると妊活の目安になるかもしれません。ただし、このことにも個人差があります。女性の場合、閉経していない期間に避妊をしないセックスをすれば妊娠の可能性があります。40代以上で出産している人もいます。若くてもなかなか妊娠に至らない人もいます。安定した月経周期など、基本的な健康管理も重要になります。気になる場合は、お医者さんに相談してみてもいいかもしれません。

よくある悩み

「痛みに耐えてこそ出産」とも聞くのですが、帝王切開や無痛分娩をどう捉えればいいですか?

帝王切開は、母子ともに無事に出産するための大切な手段です。無痛分娩に対しても同様の言葉をかけられることがありますが、出産時の痛みと愛情の深さには関係がなく、心配に思う必要はありません。出産方法に優劣はなく、それぞれの出産が尊重されるべきものです。

男性ですが、立ち会いのとき何をしたらいいのか分かりません

立ち会いの際には産院のルールに従って、パートナーが望む支援をしながら新しい命を共に迎えましょう。出産の瞬間に立ち会う喜びは大きく、パートナーと赤ちゃんが愛しく思えるはずです。また、スケジュールが合わない、カップルのどちらかが立ち会いを希望しない場合は無理して立ち会う必要はありません。本当に重要なのは、お産に立ち会うことよりも生まれた後にどれくらい支えられるかです。

無痛分娩はいくらくらいかかるもの?

無痛分娩は通常の分娩費用の他に無痛分娩の管理料や麻酔料等がかかることもあり、一般的には自然分娩費用+5万円〜10万円くらいが相場だと言われています。施設によって様々ですので、早い段階でバースプランをたて、病院に問い合わせてみましょう。

出産でおまたを切られる?

必ずしも切られるわけではありません。会陰切開だけではなく、陣痛促進剤の使用や剃毛も、実はWHO の勧告では不要とされています。しかし日本では、急いで分娩を完了せざるを得ないような緊急事態には、産婦に十分な説明ができないまま会陰切開を行うことがあるのも事実。赤ちゃんの命を救うためとはいえ、そんな話を聞くと不安になりますよね。そのような事態を避けるために大切なのは、産院選び。自分が出産するとき、自分の希望の産み方(バースプラン)を産院が受け入れてくれるかどうか、事前にしっかり確認しましょう。納得できない場合は、産院を変えることも選択肢のひとつです。

出産が痛そうで怖いです

映画やドラマの出産シーンを見ると、こんな痛そうな思いするのはコワイ!と思いますよね。出産と聞くと、分娩台の上で仰向けで産む姿のイメージがあるかもしれませんが、実はそれは妊婦さんにはとっても苦しい体位。妊婦さん自身が好きな体位で痛みを緩和しながら出産する「アクティブバース」を選択することもできます。また、痛みのもとになるのが会陰切開や陣痛促進剤。実際、これらは出産時間のコントロールのために使う病院が多く、WHOのガイドラインでは、どちらも不要だし、むしろ妊産婦に危険ということを勧告しています。病院まかせ、医者まかせの出産ではなく、自分が主体的にどんなお産にしたいかを考え、「痛いだけの出産」ではなく「自分らしい出産」を選択してください。

よくある悩み

コンドームをつけるのは誰の責任?

まずは男性側が自分でつけるようにしましょう。(異性間でも同性間であっても。)子どもを作らない、性感染症を予防するのであれば、相手を不安にさせない、「付けて」って言わせない、それが「相手を大切にすること」だと思います。そして、女性にとっても、コンドームはペニスにかぶせるだけのものではなく、女性自身の体にも密着するものです。女性も、男性に任せきるのではなく、自分自身で避妊法を選択するようにしましょう。女性が自分の口から避妊の話題を持ち出すのはちょっと言いづらく感じるかもしれませんが、慣れましょう。カップルの関係であれば、一緒にコンドームを買いに行ったり、セックスや避妊、性感染症予防のことを普段から話すようにすることで、安心してセックスを楽しめます。

よくある悩み

中絶をすると将来妊娠できなくなる?

母体保護法指定医が行う手術であれば中絶手術は、安全に行われています。手術後は望まない妊娠をふせぐために避妊をしっかり行いましょう。性別にかかわらず、主体的に避妊について知り、避妊する場合は確実に避妊方法を 実行すること、また、パートナーと避妊についてよく話し合うことも大切です。

中絶することを親に秘密にしたい

人工妊娠中絶手術は母体保護法に則って安全に行われ、18歳未満の未成年の場合、親の承諾が必要になります。しかし、どうしても親に話せない事情がある場合は、保健所の保健師さんや産婦人科の医師に相談してみてください。あなたには産む権利も産まない権利もあります。これは、あなた自身があなたの人生を自分で選ぶ権利です。大切なことを考えるには時間が必要ですので、一刻も早く受診をするようにしてください。

よくある悩み

ワクチンに副作用はないの?

副作用の心配は「ゼロ」ではありません。子宮頸がんワクチンの副作用は一時期ニュースでも話題になりましたね。ただ、その報道によって、ワクチン=危険という印象が強く残ったかもしれません。実際にはワクチンによる副作用が起きるケースは非常に稀であること、またその原因が本当にワクチンにあったかどうか不明なこともあります。ワクチンの副作用と同時に、ワクチンを選ばなかった時のリスクについても考える必要があります。どちらがいいとは一概に言えません。正確な知識と情報を得た上で、自分で選択することが重要です。

親にバレずに検査できますか?

HIV検査は親に言わなくても、匿名無料で検査できます。その際にその他のSTIも検査することができます。「HIV検査・相談マップ」から簡単に検索できるので調べてみてください。ちなみに、検査の際には、住んでいるところも本当のことを言う必要はないので、県をまたいで検査することもできます。もちろん、年齢を偽っても大丈夫。その場合は、しっかりとシナリオを考えておくことと、きちんと結果を自分で聞きに行くことが大切です。また、検査の時には、保健所の人がいろいろと相談にも乗ってくれるはずなので安心して検査へ行ってください。症状が出て心配になってから検査に行くのではなく、性的関係を持つ前にパートナーと行ってみる、普段から定期的に検査することがオススメです。

男性同士のセックスならコンドームはいらない?

いいえ。コンドームは必要です。妊娠の可能性がないため男性同士では避妊の必要がありませんが、感染症を防ぐ意味では、コンドームは必須です。菌やウイルスは人の粘膜から体内に侵入します。菌やウイルスは性別を選びません。菌やウイルスを含む体液(精液や血液、唾液)が口、ペニス、肛門、直腸等の粘膜につくと感染します。したがって、フェラチオ、アナルセックスの時でもコンドームは必要です。特に直腸の粘膜は傷つきやすいのでコンドームは必須です。もちろん女性同士のセックスでも性感染症予防は必要です。

よくある悩み

マンモグラフィが痛そうで、受けることをためらってしまいます。

マンモグラフィは乳房を圧迫して撮影するため、痛みを感じる人もいます。乳房の大きさにかかわらず、乳腺が発達した人の方が痛みを感じる傾向にあるようです。月経前は乳房が張って痛みが生じやすいため、月経後1週間〜10日の間に健診を受けることで痛みを軽減することができます。
また「無痛MRI乳がん検診」という選択肢もあります。乳房を圧迫しないため痛みがなく、また検査着やTシャツを着たまま受けられるためプライバシーの面でも安心です。

よくある悩み

性的同意を取ることに恥ずかしさがあるのですが……。

性行為の意志を相手に確認するのは恥ずかしさから、つい曖昧にしてしまいがちかもしれませんが、性行為の前に、性について率直に話をできる、かつ、できる限り対等な関係を作っておくことが大切です。性行為の直前だと断り切れない雰囲気に流されてしまうこともあるため、普段から性行為に限らず、さまざまなことについて互いに同意を確認する関係を作っておきましょう。
性的同意についてはこちらの記事も合わせて参考にしてみてください。

性暴力ってどんな時に起こるもの?

レイプ、性暴力と聞くと、暗い道で急に見知らぬ人から襲われるようなことをイメージする人も多いかもしれません。しかし、そのような知らない人による犯行はたった1割で、実際には顔見知りによる犯行がほとんど。信頼している人からの性暴力を断れないケースも多いです。たとえば、最近は付き合っている恋人から性暴力を受ける「デートDV」が増えています。相手を束縛したり、携帯を見たり、無理やりセックスを強要するなど、性行為を伴わなくても「相手を支配する行為」はすべて「性暴力」になります。たとえ恋人であっても他人は自分のモノではありません。性犯罪は「他人を支配しようとする」心から生まれる犯罪行為です。「この人、自分のことを支配しようとしてる?」と気づくことで防げる性暴力もあります。

よくある悩み

アニメのキャラにしか興奮しないのっておかしい?

おかしいことではありません。あなたはそのアニメのキャラのどこに興奮するのでしょうか?見た目?セリフ?性格?アニメのキャラは私たちのさまざまな欲望が投影されて描かれていますよね。だからこそ私たちはそこからさまざまな刺激を受けます。きっとそのことも分かった上で好きな気持ちがあるんだと思います。アニメに限らず、100 人いたら100 通りの趣味嗜好があるもの。「二次元コンプレックス」「オタク」などと呼ばれ世間から嫌な目で見られることもあり、不安になるかもしれません。でも他人や社会に迷惑をかけていない限りは問題ありません。性的嗜好は誰にとっても自由なもの、自分を異常だと思って責めずに、自分の気持ちを観察してみてください。

よくある悩み

仲間のなかで自分だけ浮いている気がする

グループの中にいると、自分だけ浮いている気がしたり、居心地の悪さを感じることもあるかもしれません。それによって、自分が友達よりもつまらない人間だと思ったり、マウンティングされたような気持ちになったり。ここで大切なのは、あなたは全く悪くないこと。そのような意識を植え付ける側に問題があります。友達関係においても「支配する」「支配される」という感覚を感じたら危険信号。あなたの今いる世界はとっても小さな世界です。その世界の外にはたくさんの別のコミュニティがあります。一つのコミュニティの中での自分の評価に惑わされて、自分の評価を下げてしまうのはもったいないことです。

パートナーの浮気がゆるせません

恋愛関係や性的関係を二人の間だけに限定する約束をしていたのに、それを勝手に破られてしまったら、信頼関係が崩れるだけではなく、自分への愛情が嘘のように思えて悲しくなりますよね。または約束を破られたことで腹立たしく思うかもしれません。婚姻においては性的関係を二人の間に限定するという約束も含まれるため、相手の浮気行為は離婚の理由として認められます。また法的に慰謝料を請求することもできます(同性パートナーでも認められた判例があります)。しかし残念ながらいくらパートナーといえども他人の行動や気持ちを完全にコントロールすることはできません。ゆるせない気持ちもわかりますが、他者との関係に固執したり恋愛関係に依存することが、もしかしたらあなた自身を苦しめてしまうかもしれません。

よくある悩み

容姿をからかわれた。

容姿は、生まれ持った個性のひとつ。それに対して蔑むような発言をすることは、人を傷つける行為であり、やってはいけないことです。容姿をからかわれて傷ついたときは、傷つけられたことをはっきりと伝えましょう。とはいえ、テレビやお笑いなどでも、容姿のことを笑いにする場面をいまだに多く見かけます。あなたも無意識のうちに他人を容姿のことでからかってしまうことはないでしょうか。なぜ見た目を重視したり、容姿による差別(ルッキズム)をしてしまうのか?一人一人が考えることで社会の価値観は変わっていくはずです。

とにかく痩せたいです

まずは本当に痩せる必要があるか、自分の体脂肪率とBMI をチェックしてみましょう。もしも「太り過ぎ」という判定なのであれば、生活習慣病の予備軍になるので何か対策をしてみましょう。そして数値的に「標準」や「痩せ」であっても理想の体型になるために「ダイエット」ではなく「ボディメイク」「カラダづくり」をすることはとてもいいことだと思います。ただどちらの場合も注意しなければいけないのは「痩せる」のではなく「体を作る」こと。良い栄養をしっかりとって、体をたくさん動かしましょう。

よくある悩み

SNSを使用したパパ活ママ活。セックスしなければ大丈夫?

セックスはナシ、おしゃべりしてデートするだけで年上のお金持ちからお小遣いを稼げる!欲しいものも簡単に買えるし旅行だってタダでいけるかもしれない。バイトするよりも楽チンで効率が良いと思うかもしれません。そんな、気軽にはじめた「パパ活」から性犯罪に巻き込まれるケースが増えています。二人きりの空間で、約束していない性行為を強要されても誰も助けてはくれません。パパ活の紹介をしてくれる、という軽い話が、脅しに変わり、売春を断れなくなるケースもたくさんあります。「自分だけはそんなことに巻き込まれない、うまくやれる、大丈夫」と自分を過信することがこの犯罪のはじまりです。

別れた恋人とどうしてもやり直したい

大好きだった人との失恋、本当に心が苦しいことですね。もしかするとネットで「失恋」と検索して色々なヒントを読んでも立ち直れず、「復縁」の検索ワードにたどり着いたひともいるかもしれません。でも、この「復縁」が実は危険なビジネスの場になっていることを知っておいて欲しいです。「絶対に復縁できる」「やり直せる」などという魅力的な言葉で高額な請求を求めるビジネスや占いが蔓延しています。でも冷静に考えてみてください。どんなにお金を払っても、他人の心を買うことはできません。他人も自分も誰を好きになるかならないかは自由なもの。世の中にある詐欺や犯罪は、「失恋」など心が弱っているスキをみてあなたに近づいてくることを知っておきましょう。

よくある悩み

働く女性は何歳で出産すればいい?

妊娠を望む場合、「〇〇歳で産まなければいけない」というルールがあるわけではありませんが、一般に妊娠適齢期は20代だと言われています。「就職したばかりだけど」「重要なプロジェクトに携わっている」など悩めるタイミングは多々ありますが、妊娠していけないタイミング・年齢などありません。会社では、産休・育休はもちろん、他にも不妊治療や卵子凍結など出産や育児をサポートする制度を備えていることもあるので、制度について調べ、早い段階でライフプランを練っておくといいかもしれません。

家族のことが好きになれません

ドラマなどでは理想的な家族の絆が美しく描かれることが多く、自分がその「理想的な家族」に当てはまらないと不安な気持ちになるかもしれません。でも、自分の家族が好きになれないことは、普通のことです。私たちは親を選んで生まれてくることはできないからです。でも、家族と距離をとることはできます。進学や就職に合わせ一人暮らしをしたり、アルバイトをして家にいる時間を減すこともできます。もしも、深刻な問題があれば児童相談所や保健師に相談してみてください。また、時間や環境が変われば関係も感情も変わることもあります。そして、自分自身が多面的であるように、あなたの親・家族も親や家族をやっているだけではなくて、多面的であるということを見ることも大切だったりします。