未成年の整形手術

増える未成年の整形手術、リスクは?自分のおしゃれを楽しむために

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自分をどう見せたいのか試行錯誤すること、自分を表現する手段の一つとしておしゃれやメイクを楽しむことは、とても素敵なことです。ファッションやメイクの他に、自分の外見を素敵に見せる方法として、美容整形を選ぶ人もいるかもしれません。「プチ整形」という言葉があるように、美容整形を受けることは、心理的にも金額的にも以前と比べて随分とハードルが低くなりました。ただ、実はトラブルも少なくはありません。整形を決める前に、まずはリスクを知っておくことも大切です。

美容整形や脱毛トラブルは過去5年で最多となっている

美容整形には以下のようなリスクが考えられます。

  • 特に成長期である未成年の人にとっては身体の変化が大きい期間であるため、無理に整形手術を受けるとバランスがおかしくなる可能性がある
  • 成長過程で元に戻ってしまう可能性がある
  • イメージ通りにならないこともある
  • 一度受けると元に戻せないことが多い

美容整形を受けたからといって、魔法のようにすべての身体的な悩みが解決するわけではないこと、後遺症が残る可能性もあることも、覚えておきたいことです。

また、全国の国民生活センターには美容整形や医療脱毛などに関する相談が多く寄せられているといいます。相談件数は年々増え、令和5年の調査では3000件を超え、過去5年で最多となっています。具体的には、カウンセリング目的で来院すると「今すぐやったほうがいい」などとその場で契約を迫られたり、広告に載っている金額や来院者の予算よりも高額な契約をさせられるケースが挙げられます。

このようなトラブルを防ぐために、「今すぐ施術が必要だ」と言われてもその場では契約しないようにする、施術前にリスクや副作用を確認する、分割払いをしてまでも必要な施術なのかよく考えることなどが大切です。また不安に感じたときやトラブルになったときは最寄りの消費生活センター等に相談しましょう。一部の美容医療サービスは、期間が1ヶ月を超え、金額が5万円を超える場合、特定商取引法が適用され、契約書面を受け取った日を含む8日間はクーリングオフ(いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度)ができます。

ルッキズムとは?

ルッキズムは外見至上主義とも呼ばれ、外見や容姿で人を判断したり、優劣を付けたりすることです。ルッキズムという言葉を耳にすることが多くなったのは最近のことかもしれませんが、考え方自体は古くから存在しており、現在でも「顔採用」という言葉が存在しているように、ルッキズムの風潮は社会全体に浸透してしまっています。

過激なダイエットをしたり、整形依存に陥ってしまうなど、ルッキズムは心理面・体調面に悪影響を及ぼすだけでなく、社会にも悪影響を及ぼします。画一的な美の基準に当てはまらない外見の人を差別したり、就職先が狭まってしまう恐れもあります。

そもそも美の基準に正解はない

ルッキズムに対する考え方として生まれたのがボディ・ポジティブという考え方です。これは「ありのままの自分の体を愛そう」というムーブメントで、以前はスリムな体型のモデルばかりだった世界中のファッション誌や広告キャンペーンでも、近年さまざまな体型のモデルが起用されることが珍しくなくなりました。
また、無理に自分の体にポジティブにならなくても大丈夫というボディ・ニュートラルという考え方も注目を集めています。

そもそも美の基準に正解はなく、美しいとされる条件は時代や国によって異なります。SNSや広告などで目にすることの多い画一的な美しさのイメージについ飲まれてしまいそうになりますが、美しいと感じる基準は人それぞれ。また見た目だけで全ての評価が決まるわけでもありません。美容整形は確かに選択肢の一つであり、受ける受けないは個人の自由ではありますが、常にリスクが伴い、金銭トラブルに巻き込まれる可能性もあります。今美しいと感じる見た目が将来は変わるかもしれません。美容整形を受けなくても、髪型やメイク、服装で見た目のイメージは大きく変えられます。SNSや広告の情報に安易に流されずに、自分なりの美意識について冷静に考えてみませんか?