ボディイメージについて

じぶんのからだを好きになるために。

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あなたは自分の体をどう思いますか?
好きだと思う人もいれば、嫌いだと思う人もいるかもしれません。「痩せたい」「腹筋を鍛えたい」「ムダ毛をなくしてツルツルの肌になりたい」など、「もっとこうしたい」と思っている人もいるでしょう。

私たちの周りには、「痩せている体が美しい」とか、「ムダ毛の処理をきちんとしていないと引かれる」「モテるためには筋トレが不可欠」などと謳った広告や雑誌記事があふれています。また、「科学的」であるといいながら「これが女性の体である」「これが男性の体である」と定義をしたり、「五体満足」という言葉などを使って「人の体はこうあるべき」という社会的規範を、私たち自身が再生産しています。メディアや企業の中には、自分たちが儲けるために、“美とはこうあるべき”というメッセージを発信しているところもあります。「科学」はもっと進歩していて、人間の体の多様性をすでに発見しています。手足の本数などを含め、私たちの体は非常に多様であることも、私たちは経験的に知っています。そういった多様性を排除する形で、私たちの体は消費の対象となっています。

“痩せていなければ美しくない”などと、体に対して“こうでなければいけない”と思い込んでしまうのは、とても怖いことです。 その結果、“今の私は素敵じゃない”と自信を失ったり、痩せようと無理なダイエットをして体を壊してしまう人がたくさんいます。摂食障害をはじめとする病気につながることもあります。健康でない体が、理想とする体なのでしょうか。

また、“こうあるべき”という思い込みを持ってしまったがゆえに、それに当てはまらない人の体型を揶揄してしまうなんてこともあるかもしれません。外見や容姿をからかうのはセクハラにあたりますし、外見や容姿で人を判断したり、優劣をつけることは「ルッキズム(外見主義)」と呼ばれる差別行為です。相手の心に深い傷を残します。
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最近は、肌の色や背格好、障害のあるなし、ジェンダーを問わず、いろいろなボディタイプの人が広告を飾ることも増えてきました。プラスサイズモデル(私たちの身の回りにいるリアルなサイズに近い体型をしたモデル)のような存在も活躍しています。痩せているかどうか、背が高いかどうかなどは関係なく、この世に二つとない自分らしい体であることが一番いい。世界は今、そんな方向へと進んでいます。

自分が望むボディ・イメージに近づけるために努力をすることは自由です。また、自分がコンプレックスに思うことを自分の個性だと受け止めることは、なかなかできないかもしれません。でも、コンプレックスだけに目を向けるのではなく、自分の好きなところにも目を向けてみることを忘れないでください。メディアや世間の風潮、友だちからのプレッシャーなどの影響を受けて作られたものではなく、“こうなりたい!”という自分主体のボディ・イメージを見つけることが大事です。
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よくある悩み

とにかく痩せたいです

まずは本当に痩せる必要があるか、自分の体脂肪率とBMI をチェックしてみましょう。もしも「太り過ぎ」という判定なのであれば、生活習慣病の予備軍になるので何か対策をしてみましょう。そして数値的に「標準」や「痩せ」であっても理想の体型になるために「ダイエット」ではなく「ボディメイク」「カラダづくり」をすることはとてもいいことだと思います。ただどちらの場合も注意しなければいけないのは「痩せる」のではなく「体を作る」こと。良い栄養をしっかりとって、体をたくさん動かしましょう。