女性は大人になると、だいたい毎月1回、約3〜7日間、自分の意思とは関係なく、性器から血液等が外に出される月経(生理)を迎えます。初めて起こる月経のことを「初潮」といい、50歳くらいまで、この現象と付き合うことになります。
初潮を12歳くらいに迎える人が多く、もし、15歳になっても来ない場合は婦人科を受診しましょう。 月経の周期(初日から次の月経の前日までの期間)は25〜38日間、月経の期間は3〜7日が正常とされています。とはいえ、思春期はまだ周期が安定しない時期でもあり、特に体調やストレスなどで月経不順になることもしばしば。月経血の量が定まらないこともあります。しかし、避妊しないで性交があった場合は、妊娠の可能性も否定できません。
では、あらためて仕組みを見てみましょう。
新しい命のもととなる卵子が卵巣で成熟(1ヵ月に約1,000個)した後、1個(複数の場合も)の卵子が卵巣を飛び出して(排卵)、卵巣と子宮をつなぐ卵管を移動する。そこで性交等によって入ってきた精子と合体(受精)すれば受精卵となります。
その頃、受精卵を受け止めるために子宮内膜が厚くなります。約2週間の間、卵子が受精しなかったり、受精卵が子宮内膜に着床しなければ、厚くなった子宮内膜は必要なくなり、子宮の壁からはがれ落ちて、卵子や血液と一緒に経血となり、腟から体の外へ。それが月経です。 もし、受精卵が子宮内膜に着床したら、妊娠が成立して月経は止まります。
このシステムを作り、制御しているのは、脳からの指令を受けて卵巣から分泌される2つの女性ホルモン。「エストロゲン」と「プロゲステロン」です。
生理が終わる頃から排卵まではエストロゲンの分泌が多い「卵胞期」に、また、排卵後から月経まではプロゲステロンが多くなる「黄体期」になります。
月経周期の中で、この2つの女性ホルモンの変化による不快な症状を経験する人も少なくありません。
最も多いのが「月経痛(生理痛)」。お腹の痛みや腰痛、頭痛、下痢などです。休みたくなる、薬を飲まないとしんどいほどの痛みがある場合は、「月経困難症」です。 子宮内膜症や子宮筋腫など病気が隠れていることもあり、その結果、機能性不妊になる可能性も。
また、月経の3~7日前に起こる「月経前症候群(PMS)」は、腹痛や胸の張り、イライラや気分の落ち込みなどの不快な症状のこと。 排卵が起こっている証ですが、いまではピルや漢方薬などで治療ができる時代。月経にともなう不安や不快な症状は我慢せず、早めに婦人科を受診しましょう。