セックスのコミュニケーション

セックスのこと、パートナーと話せてる? 心地よい関係をつくるコミュニケーション

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「こうしてほしいけれど、言うのはちょっと恥ずかしい」
「本当はあまりしたくないけれど、相手を傷つけそうで言えない」
「好きな相手なら、言わなくてもわかってくれるはず」

セックスをするくらい親密な関係なのに、セックスについて、パートナーと率直に話すのは意外と難しいもの。でも、心地よいセックスは、どちらか一方が相手に合わせたり、我慢したりすることで成り立つものではありません。

何が好きなのか、何が苦手なのか。今日はしたいのか、したくないのか。避妊や性感染症の予防についてどう考えているのか。お互いの気持ちや考えを伝え合うことも、セックスの大切な一部です。

なぜセックスにコミュニケーションが必要なの?

WHO(世界保健機関)は「性の健康」を、単に病気や不調がないことではなく、性に関連した身体的、感情的、精神的、社会的なウェルビーイングの状態と定義しています。そして、性の健康には、セクシュアリティや性的な関係に前向きかつ敬意をもって向き合い、強制や差別、暴力のない、楽しく安全な性的経験ができることも必要だとしています。

また、ユネスコなどがまとめた『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』では、「健康と幸福(well-being)」「暴力、同意、安全」「セクシュアリティと性的な行動」などが、包括的性教育の重要なテーマとして位置づけられています。

何を心地よいと感じるか、何をしたいと思うかは人それぞれ。さらに、同じ人でもその日の体調や気分、状況によって変わることがあります。

だからこそ、「きっと相手も同じ気持ち」「言わなくてもわかってくれる」と決めつけず、お互いの気持ちを伝え、確認することが大切なのです。

自分の気持ちを伝えること。そして、相手が安心して気持ちを伝えられるように耳を傾けること。その両方があって、初めてコミュニケーションは成り立ちます。

セックスについて、普段から話してみよう

セックスについてのコミュニケーションは、セックスをしているときだけに必要なものではありません。

どれくらいの頻度でしたいのか。何を心地よいと感じ、どんなことはしたくないのか。避妊についてどう考えているのか。性感染症を防ぐために何ができるのか。セックスについて大切にしたいことや考え方は、人によって違います。

だからこそ、セックスの直前や最中だけではなく、普段から「私はこう思うけれど、あなたはどう?」と、お互いの考えや気持ちについて話せるといいでしょう。すべての考えが一致する必要はありません。違いがあることを知り、それぞれの意思を尊重することも大切なコミュニケーションです。

そして、実際にセックスをするときに欠かせないのが、お互いの同意です。一度「したい」と思ったからといって、最後までその気持ちが変わらないとは限りません。途中で「やっぱりやめたい」と思うこともあります。また、ひとつのことをしたいからといって、それ以外のすべてをしたいとは限りません。

「これ、してもいい?」
「続けても大丈夫?」
「今日はどうしたい?」

そんなふうに相手の気持ちを言葉で確認することも、セックスにおける大切なコミュニケーションです。

相手の気持ちを「きっと大丈夫」と推測するのではなく、わからないときには言葉で確かめる。自分の意思と同じように、相手の意思も大切にし、言いやすい空気をつくることが大切です。

「言いづらい」と感じるときは?

セックスについてコミュニケーションをとることが大切だとわかっていても、「自分の気持ちを伝えましょう」と言われると、難しく感じる人もいるでしょう。

「こんなことを言ったら嫌われるかも」「相手を傷つけるかもしれない」「わざわざ言わなくても察してほしい」。ましてやセックスのようなデリケートなことなら、普段にも増して言葉にしづらいかもしれません。

そんなとき、いきなり自分の気持ちをすべて上手に伝えようとしなくても大丈夫です。

まずは、「私はどうしたいんだろう?」と自分の気持ちを確認することから始めてみましょう。「これは好き」「これは少し苦手」「今日はしたくない」など、自分の中で言葉にしてみるだけでも、自分の気持ちを知るきっかけになります。

そして、言葉にするときも、最初から完璧に説明する必要はありません。

「うまく説明できないんだけど……」
「自分でもまだよくわからないんだけど……」

そんなふうに切り出してもいいのです。

「それ、好き」「もう少しゆっくりがいい」「今日はくっついていたい」など、まずは言いやすいことをひとつ伝えてみるのもいいでしょう。「あなたのやり方が嫌」ではなく、「私はこうされるほうが好き」「私は今日はこうしたい」と、“自分がどう感じているのか”を主語にすると伝えやすくなることもあります。

また、セックスの最中に言えなくても、あとから話して構いません。「昨日のことなんだけど」「この前のあれ、よかった」など、お互いがリラックスしているときのほうが話しやすい人もいるでしょう。

大切なのは、一度に何でも話せるようになることではなく、自分の気持ちに気づき、それを少しずつ言葉にしていくことです。

「言える関係」を二人でつくろう

自分の気持ちを言葉にするには、「言っても大丈夫」と安心して思えることも必要です。

パートナーが「これは苦手」「今日はしたくない」「こうしてほしい」と伝えてくれたとき、茶化したり、否定したり、不機嫌になったり、無理に理由を求めたりせず、まずは耳を傾けてみましょう。「教えてくれてありがとう」と伝えるのもいいでしょう。

そうしたやりとりが積み重なることで、「自分の気持ちを言っても大丈夫」と思える関係が作られていきます。

また、その場で何も言わなかったからといって、相手が必ずしも心地よかった、納得していたとは限りません。そのときにはうまく言葉にできなかったり、あとになって初めて自分の気持ちに気づいたりすることもあります。

だからこそ、「嫌なら言ってくれればいい」だけではなく、

「どうだった?」
「嫌なことはなかった?」
「次はどうしたい?」

と、相手が話せるきっかけをつくることも大切なコミュニケーションです。

自分の気持ちを伝えること。そして、相手が安心して自分の気持ちを伝えられるように耳を傾けること。どちらか一方だけががんばるのではなく、「言える」「聞ける」関係を二人でつくっていくことが、お互いにとって心地よいセックスにつながっていくのではないでしょうか。

自分と相手の気持ちが違ったときは?

自分の気持ちを伝えるときには、まず自分自身が「私はどうしたいんだろう?」と考え、その気持ちを大切にすることが必要です。同じように、相手にもその人自身の気持ちや考えがあります。
セックスについて話してみると、どれくらいの頻度でしたいのか、何を心地よいと感じるのか、どんなことをしたいのかなど、お互いの希望が違うことに気づくこともあるでしょう。そんなときに大切なのは、「どちらが正しいか」を決めたり、どちらかが相手に合わせて我慢したりすることではありません。

「私はこう思うけど、あなたはどう?」
「二人が心地よくいられる方法は何だろう?」

と、まずはお互いの考えを率直に話してみましょう。一致しないことももちろんあります。
ただし、セックスをするかしないかという点では、「したくない」という方が優先されます。セックスにはお互いの同意が必要だからです。

自分の希望を伝えることは、相手に同じ気持ちになるよう求めることではありません。お互いの違いを知り、そのうえでどうしたいかを話し合うことも、セックスにおける大切なコミュニケーションです。

「安全」について話すこともコミュニケーション

避妊や性感染症についても、具体的に話してみることが大切です。

「避妊はどうする?」
「コンドームを使おう」
「性感染症の検査について一緒に考えてみない?」

こうした話は、少し切り出しにくいと感じるかもしれません。でも、安全について話すことも、自分だけでなく相手の健康やウェルビーイングを大切にすることにつながります。

セックスをする関係を築いていくためには、自分がセックスについてどう考え、どう感じているのかを伝えること、そして、相手の考えや気持ちに耳を傾けることが大切です。そのうえで、お互いが安心して心地よくいられる関係を一緒につくっていく。

「私はこう思う。あなたはどう?」

そんな小さな会話の積み重ねが、二人にとって心地よいセックスをつくる、大切なコミュニケーションなのです。