「セクシュアルリプロダクティブヘルスライツ(Sexual and Reproductive Health and Rights, SRHR)」は日本語に訳すと「性と生殖に関する健康と権利」です。
「性と生殖に関する健康」とは、「性と生殖に関わる身体面、精神面、社会面におけるすべてのウェルビーイングが満たされている(良好な)状態」のこと。この考え方は、1994年カイロで開かれた世界人口開発会議(ICPD)ですべての人にある権利として広く知られるようになり、その翌年、北京で開かれた世界女性会議でSRHRを含む行動綱領が採択され、世界が目指すべき指針が示されました。これは世界的に見ても大変大きな変化で、その時から、生殖にかかわる問題は、「国家の人口問題」から「個人の選択の権利の話」へと変わったのです。
ここで目指されているのは、ただ病気や暴力、差別がない、という状態ではありません。誰もがより満足で安全な性生活を送れること、その人のジェンダー・セクシュアリティに関わらず、すべての人がその人らしく生きられること、子供を産むか産まないか、産むとしたらいつ、何人、どんな間隔で産むかを自分で考え決められることなど、広い意味を持っています。
では、日本におけるセクシュアルリプロダクティブヘルスライツはしっかりと守られているでしょうか?実ははまだまだ守られているとは言えない現実があります。
包括的性教育の不足、より確実な避妊やより安全な人工妊娠中絶へのアクセスのなさ、性暴力に関する法律の不十分さ、同性婚ができないこと、経済、政治等様々な分野でいまだ解消されないジェンダー不平等、少子化を語る際の視点が個人の選択ではなくいまだ国家にあることなど、問題を上げればきりがありません。
そんな状況の日本で、どうすれば多くの人のセクシュアルリプロダクティブヘルスライツを向上させることがきるでしょうか?そのためにはまず、正しい情報がすべての人に届くことが必要です。特に未来を担う10代、20代の若い世代が、その情報をもとに自分の選択で自分の人生を決めていけるように。 そんな未来を目指し制作したサイトがこの「SEXOLOGY~性を学ぶセクソロジー~」なのです。