受精には精子と卵子の2つが必要不可欠。卵子はX染色体を、精子はX染色体を持つものと、Y染色体を持つものがあります。これらが人の性別にかかわっていることは義務教育の時に習ったと思います。ですが、身体の性別を決める(性分化)のにかかわる遺伝子は、X染色体、Y染色体だけではありません。現在では、少なくとも20種類以上の遺伝子がかかわっていることがわかっています。そのうち、X染色体上にある遺伝子は3つ、Y染色体上にある遺伝子は1つです。
そのような重要な遺伝子をもっている精子は、精巣で作られます。1日で作られる数は、なんと5000万から1億ほど。それが精巣上体を通って精管にストックされ、射精の瞬間がやってくると、尿道を通る際に精嚢と前立腺の分泌液と混ざり精液になって、体外へ放出されます。尿とは混ざらない仕組みになっています。放出されず古くなった精子は分解されて体内に吸収されます。定期的に射精しないと精子が溜まって精巣が爆発する、といったような噂を耳にしたことがあるかもしれませんが、完全なる都市伝説。そんな事実はないので、安心してください。
異性間のセックスにおいて女性の腟の中での射精によって、精子が腟の中に入ります。その精子のうち、おたまじゃくしに似た風貌をして、尻尾のような鞭毛を振動させて運動をする精子は全体の約30%。さらに、精子は酸性の環境に弱いため、腟内の精子の多くは射精後約30分で急速に運動性が失われます。残った精子が腟から子宮へ、そして卵管へと進みます。精子が運動を続けられるのは、長いもので7日ですが、概ね3日間ほどです。
妊娠を望まない場合は、必ずコンドームなどの避妊具を使うようにしてください。精子は、コンドームをつけずにペニスを腟に挿入した瞬間から出る可能性があり、外出し(腟外射精)は避妊法とはなりません。 妊娠を望まない場合は、避けなければなりません。