もし被害にあったら

自分が、大切な人が、
性暴力にあってしまったら。

violence if you are victimized 0
悪いのは加害者であり、被害に遭った人は悪くありません。「自分に隙があったから」とか「断り切れなかった自分が悪い」などと自分を責める必要はまったくありません。

まずは、自分の身の安全を守りましょう。できるだけ早く、安全な場所に移動してください。 そして、加害者に連絡先や位置情報を把握されていて不安な場合や身の危険を感じる時は、警察に連絡を。被害にあって間もない時は、気が動転し、何もかもがわからなくなることがあります。あなたの状況を整理し、これからどうすればいいかを一緒に考えてくれる支援機関があるので、連絡してみてください。

・性犯罪被害相談電話「#8103」
各都道府県警察の性犯罪被害相談電話窓口につながる全国共通の短縮ダイヤル番号(#8103)を導入したものです。ダイヤルすると発信された地域を管轄する各都道府県警察の性犯罪被害相談電話窓口につながります。
電話番号:#8103

・性暴力被害支援ワンストップセンター
性暴力の相談を24時間、365日受け付けています。電話・面接相談、医療支援、専門家の相談(精神科医や弁護士等の紹介)が受けられます。必要に応じて専門の相談員が関係機関に付き添います。下記のURLに全国のセンター一覧があります。


そして、怪我の手当てや望まない妊娠・性感染症を防ぐために、医療機関、婦人科で身体のケアを受けましょう。ひとりでの受診が不安な場合は、親、先生、地域の保健所にいる保健師など、周りにいる信頼できる大人や、支援センターの人が付き添ってくれる場合もあるので、相談してみてください。被害後72時間(3日)以内であれば、緊急避妊薬を処方してもらえます。 ただし、避妊の効果は100%ではなく、副作用もあります。性犯罪による妊娠の場合は、母体保護法に基づき、中絶手術を受けることができます。

強制性交罪や強制わいせつ罪などの事件で加害者を処罰してほしい時は、警察に相談したり被害届を出すことができます。届け出る先は、被害にあった場所に一番近い警察署です。届け出ることで医療費が公費負担になる場合もあります。

被害届を出すか否か、告訴するかどうかについて、すぐにはわからないかもしれません。ただ、今後、「告訴したい」と思った時のために、できれば、証拠を保存しておくことをおすすめ します。残しておいた証拠を使わない、という選択は後からでもできます。下記のような行動が証拠の保存につながります。

・警察や病院へ行く前に、シャワーやお風呂など、体の洗浄はなるべくしない。
・被害にあった時に来ていた衣服(下着も含めて)は、すべてそのままにしておきましょう。可能であれば、1枚ずつをビニール袋に入れて口を閉めておいてください。
・被害の際に体についたものを拭いとった場合は、拭いとったもの(タオルやティッシュなど)も捨てずに、別のビニール袋に入れて保管してください。

突然、つらい経験をすると、心にいろいろな変化が生じます。気持ちがとても動揺する、感情がなくなった感じがする、イライラして落ち着かない、怒りや悲しみを感じる、物音に敏感になる、他人事のような感じがする、事件にあった場所や時間に戻ったような体験をする、事件のことを思い出すような場所や時間を避けるようになる…。これらは、被害を受けた後によく見られる変化です。当然、この限りではなく、起こる変化は人それぞれです。変化が起こる期間やタイミングもさまざまで、数ヶ月あるいは何年位も渡って続くこともあり、また、一旦落ち着いていたのに再び調子が悪くなることもあります。その時々の状況や環境、体調、出来事などによって心が影響を受けるからです。被害自体もとても大変なことなのに、衝撃がずっと続き、生活自体がすごく苦痛になってしまうこともあります。一人で乗り切ることはとても難しいので、信頼できる人に話すことが大事です。自分の身に起こったことを誰かに話すことに、ためらいや不安があるかもしれません。もちろん、無理に相談する必要はありませんし、あなたが「聞いてほしい」と思った時に、信頼できる大人や、支援機関の相談員に相談してみましょう。 インターネットで検索してもいいですし、下記のような支援機関があります。


0120-279-338(岩手・宮城・福島県からの場合は、0120-279-226へ)

もし、性的暴力の被害を受けた人から話を打ち明けられた時は、「あなたは悪くない」と繰り返し伝えてください。 被害に遭った人は、「私のせいで」「私があの時、あの場所にいたから」など、自責の念で苦しんでいる人が多くいます。何の落ち度も責任もないことを、何度でも繰り返して伝えてください。また、話の内容につじつまが合わないことや曖昧なことがあったとしても、それはショックのために記憶がはっきりしていないためかもしれません。疑ったり否定することなく話を聞き、受け止めることが大事です。行動を注意するのはもちろん、なぐさめたり、アドバイスをしたり、「この程度で済んでよかったね」など、安易な言葉がけはセカンドレイプになるため、決して言わないでください。