卵子凍結

卵子凍結って何?
そもそもの目的と デメリットやリスクをちゃんと知ろう。

fertility egg freezing 0

将来の妊娠・出産に備えて事前に卵子を採取して冷結保存しておく、卵子凍結。そもそも卵子凍結は、がん患者の方が抗がん治療前に卵子凍結をしておくことで、がんが完治した後に子どもを持つ可能性を温存するための技術。ただ健康な女性が仕事などの社会的な理由で卵子凍結による出産をしたケースも出てきています。

健康な女性の卵子凍結については専門家のあいだでも意見が分かれています。メリットとしては仕事が多忙ですぐに妊娠できないという場合や、現時点でパートナーがいない女性が卵子を凍結しておき、妊娠・出産の環境が整ってから凍結していた卵子を用いて出産するということが可能になります。

ただデメリットも多く、健康な女性に排卵誘発・採卵を行うため、合併症の生じる可能性があることや、卵子を凍結保存しても将来必ず妊娠が成立するという確実性はないこと、卵子凍結によって生まれた子どもの遺伝的変異などのリスクが不明であることが挙げられます。また高齢での妊娠・出産にはリスクが伴います。

さらに卵子凍結にはかなりの費用がかかります。卵子をたくさん保存しておけば将来子どもを持つ確率は高まりますが、それだけ費用がかかることになります。採卵手術費だけでなく、凍結管理料や顕微授精のための費用なども発生します。

卵子凍結により卵子の老化は先送りすることができますが、肉体の老化は自然と進むもの。また実際は、卵子を凍結しておいた人のほとんどが自然妊娠をして、凍結しておいた卵子は使用せずに破棄されていることが多いといいます。妊娠・出産の選択肢が増えたのはいいことですがデメリットやリスクを十分理解しておくことが必要です。

よくある悩み

何歳から凍結を考えた方がいいの?

一概には言えませんが、不妊を専門にしている産婦人科医たちの意見としては、30歳を超えてからでいいのではという意見が多いようです。卵子は年齢とともに老化し数も減少するため、凍結する年齢は若いほうがよいといえますが、20代の人たちがいますぐに凍結しておかなければいけないということはほぼないようです。また、凍結した卵子の保管料の問題も発生します。保管期間が長ければ長いほど保管にかかる費用も必要になってくるため、妊娠率の低下と保管費用の面など、バランスを見ながら卵子を凍結するタイミングを考えていく必要があります。