性的同意とは、体に触れることやキス、愛撫、性交など、すべての性的な行為に対して、お互いが積極的に「したい」と望んでいるかどうかを確認することです。自分がしたいからといって、相手が必ずしも同じように感じているとは限りません。同意なしに強要されることは性的暴行となり、犯罪とみなされます。
性行為をする前には、同意ができているかどうかを明確にしてくことが大切です。そのためには、相手に「NO」と言える関係性ができている必要があります。たとえ恋人同士や婚姻関係にあったとしても同意は不可欠。「付き合っているから、応じなければいけない」ということは決してありません。同意するか否かの判断をするには、自分がこれからすることの意味やリスクを十分理解しておく必要があります。そのため、どちらかがお酒に酔っていたり、寝ているなど判断能力がない場合は、同意は不可能です。相手に圧力をかけたりだましたりして、無理矢理同意を得ることも絶対にしてはいけません。
また、一度、同意をした後でも、続けることにためらいが生まれたり、たとえば、コンドームを使うと言ったのに相手が使わない場合など抵抗を感じた時は、いつでも撤回することができます。
もちろん、キスをしたからといって性行為に同意することにはなりませんし、今日はOKだからといって次もOKだとは限りません。その都度、確認することが必要です。
性的な行為をしたいと思った方から、相手の意思を確認しましょう。「嫌だったら教えてね」など、相手に配慮しながら聞くことが大切です。返事が曖昧な場合は、先に進めないようにしましょう。無理に続けると相手を傷つけることにつながり、「なんで?」と問い詰めたりすることはプレッシャーになる可能性もあります。性的行為を断られたこと=愛情がなくなった、嫌われたということでもありません。性的なお互いの領域を尊重することを「性的バウンダリーの尊重」といいますが、相手の立場になって考え、コミュニケーションをとる必要があります。
また、性的同意がとれているからといって、何歳からでも性行為をしていいわけではありません。刑法では、相手が16歳未満の場合には、「性行同意年齢(性行為がどのようなものかを理解し、したいかどうかを判断できる年齢)」に達していないとして、強制性交等罪が成立します。 そして、大人が18歳未満の相手と性関係を持つことは、各自治体の青少年健全育成条例違反となり、罰せられる場合があります。
いつ、誰とどのような性的な関係を持つかは、自分で決めること。 性的行為をする直前だと断り切れない雰囲気に流されてれてしまうこともあります。もし、性的な行為をした時に何かモヤモヤしたり、気分が沈んだり、嫌だと感じることがあるならば、性的同意がきちんと取れていないからかもしれません。不安なことがある場合はパートナーに相談したり、二人の関係を振り返ったりしてみましょう。性的同意について考える、いい機会になるはずです。大事なことは、普段からさまざまなことについて互いに同意を確認する関係をつくっておくということです。