積極的な同意がなかったり、相手との関係が対等でなかったり、強要されたものであったり。自分が望まない性的行為は、すべて性暴力です。同意なく体を触る。無理やりキスやセックスをする。相手が妊娠したくないのに避妊をしない。相手が見たくないセックスなどの性的な動画を見せる。これらは性暴力に当てはまります。 また、最近では、同意なく性的な動画や写真を撮影されること、それを無許可でインターネットに掲載するなどの デジタル性暴力 も大きな問題となっています。
性暴力は見知らぬ相手から受けるもの、というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、カップルや結婚している関係など、身近な人との間にも起こります。内閣府男女共同参画局による「令和2年度性暴力に関するSNS相談調査研究報告書」によると、加害者との関係では家族が最も多く、パートナー、学校及び職場の関係者が続く形に。
身近な人から性暴力など嫌なことをされたと気づいても、関係性が壊れることを恐れたり、相手に嫌われたくないという気持ちが先に立ち、やめてほしいと言いづらかったり相談ができないこともあるはずです。ただ、相手を好きだという気持ちと、自分がされた嫌なことに対してノーということは別のことです。“自分に落ち度があったのでは…”と思ってしまうかもしれません。でも、どんな理由、状況であっても暴力は決して許されることではありませんし、 被害者は悪くありません。
もし、被害にあった場合や、「これ、おかしいかも?」と思うことがあれば、一人で抱え込むのではなく、相談してみてください。たとえば「#8891」は、性暴力被害相談の全国共通短縮ダイヤル で、最寄りのワンストップ支援センターにつながります。また 「#8103」は警察の性犯罪被害相談 電話共通番号です。プライバシーは守られるので、「大ごとになったらどうしよう」「周りの人に迷惑をかけるかも」などとためらわず、安心して相談してみてください。
被害に合うと、悲しみや怒り、恐怖などの感情が噴出することもあれば、何の感情も湧き上がってこないこともあります。本当に人それぞれです。被害によって心がしんどくなったり、辛くなって誰かに話したいと思った時は、専門家によるカウンセリングやセラピーを受けることも検討してみてください。ワンストップ支援センターでは、相談をすることはもちろん、支援員が寄り添い、カウンセリングの実施など、ひとりひとりの支援プログラムを受けることができます。