月経が遅れ、妊娠反応が陽性だった場合は、速やかに産婦人科を受診しましょう。嬉しくなる人以外に、中にはまだ子どもを欲しいと思ってなかった人もいるかもしれません。「まだ勉強もしなくちゃいけないし、やりたいこともたくさんあるし、まだ自分には早すぎる!どうしよう……」と、焦ったり、困惑するケースもあるはずです。でも、決して一人で抱え込まないで。あなたをサポートする手段はあるので安心してください。
ここに、3つの選択肢があります。たとえ、どれを選んだとしても、あなたに決定権があり、それが正しいということを最初に伝えておきます。誰が何を言おうとも、最後はあなたが決めてよいのです。
「親には怒られてしまう…」なんて、考えていませんか?たしかに、あなたの年齢を考えると、最初から歓迎されるパターンは少ないかもしれません。むしろ、「相手は誰?」などと、あれこれ追求されるかもしれない。でも、それは、あなたを愛している証。誰よりもあなたの幸せと健康を願っているからです。そして、いくら頭の中で想像やシミュレーションをしても、お互いの気持ちや考えは伝わらないもの。思い切って話してみると、きっと、味方になってくれるはず。しかも、子育ての先輩でもあるので、相談しない手はないですよね!
でも、「親への告白は絶対にムリ!」と、いうのであれば、おじいさんやおばあさん、兄弟・姉妹、もしくは養護教諭や保健師さんなど、あなたが信頼できる大人に打ち明けてみて。あなたは一人じゃないことを、絶対に忘れないでください。
そして、先ほど少し触れたように、今のあなたには3つのルートがあります。
1つ目は、妊娠を継続して出産すること。
20歳未満の妊娠・出産は「若年妊娠」と定義されています。若くして親になることは決して悪いことではありません。しかし、若年妊娠には弊害も少なくはないのです。実際の臨床現場では、早産や胎盤早期剥離など妊娠中のトラブルや異常分娩も多いことがわかっています。また、社会的に孤立したり、養育環境が整わず休学を余儀なくされ学業が中断した結果、低学歴、貧困、孤立という経過を辿るケースもあるのです。でも、赤ちゃんは可愛くて、あなたにとってかけがいのない存在になるはずです。
2つ目は、「産んでも育てられない」という場合、「特別養子縁組」や「里親」という制度があります。
児童福祉法により国も推進していく方針に向かっていますが、まだ地域のよって差があり様々な条件が必要となります。認定NPOや児童相談所へ問い合わせるとサポートを受けられ、詳しい方法を教えてもらえます。
そして、3つ目は中絶です。
人工中絶手術を希望した場合、わが国では母体保護法にのっとり、妊娠21週6日(妊娠6か月)までが手術のできるタイムリミットです。また、初期(妊娠4週〜11週6日目)と中期妊娠(12週〜21週6日目)の期間で区切られ、手術内容も変わります。中期中絶は、役所へ届出が必要です。週数が進めばそれだけからだへの負担も大きくなるのです。特に思春期はさまざまな要因で生理不順になりやすいことは前には書きました。「生理不順だから、少し遅れているだけ・・・」なんてのんびりしていたら、あっという間に人工妊娠中絶ができない時期を迎えてしまいます。来るはずの月経が2回来なかった時には、すでに8週目くらいになっているため、初期中絶を決めるまでの時間が2週間もないことになります。ちなみに妊娠期間は、最終月経開始日から始まり、この日を「0週0日」と数えます。手術の同意書は、18歳以上で結婚をしていなければ、本人の同意のみとなります。妊娠がわかった時点で早めに産婦人科を受診しましょう。
最後に、「絶対に一人で悩まないこと」。信頼できる人に相談すること。「妊娠は女性として素晴らしいこと」なのです。けれども、最後はあなたが一番幸せになる方法を、自分自身で考えて決めてください。