「あなたの性別は何ですか?」ときかれたら、あなたは何て答えますか?その根拠は何ですか?
「身体がそうだから」、「自分がそう思うから」、「みんながそう言うから」、「自分がそう生きたいから」。いろいろな理由が思い浮かぶかもしれませんね。そもそも思い浮かんだ「性別」も人によってさまざまかもしれません。
こういった、人生において積み重なった自分の性別についての認識や感覚を「性同一性」(ジェンダーアイデンティティ)といいます。 そもそも「アイデンティティ」とは、時や場やそこでの役割などが変化しても「自分」は同じ存在であるという感覚の積み重ねのことなので、ジェンダーアイデンティティはその性別に関することということになります。自分の性別についての認識や感覚という意味合いから「性自認」という言葉もよく使われています。
ジェンダーアイデンティティが、出生時に割り当てられた性別(身体の性別や戸籍の性別、それに沿って周囲が期待してくる性別)と一致する場合もあれば(「シスジェンダー」といいます。「フツー」という名前ではありません)、それとは異なる場合もあります(「トランスジェンダー」といいます)。
今の世の中では、ジェンダーアイデンティティを「女性」もしくは「男性」といった二分法で考えがちですが、そのどちらでもないという感覚や、くくりきれないような感覚をもっていたり(ノンバイナリー、ジェンダーエクスパンシブ、Xジェンダーなど)、その時々によって流動的にジェンダーアイデンティティが変化する感覚をもつ(ジェンダーフルイド、ジェンダーフリュイドなど)といった人もいます。 その他にもさまざまなジェンダーアイデンティティのもち方があり、それぞれにカテゴリー名があったりします。
もしかしたらどんなカテゴリーもしっくりこないという人もいるかもしれません。それほどに、私たちのジェンダーアイデンティティの有り様は多様なんです。
人生の途中で、これまでとは異なる自分のジェンダーアイデンティティに気づくこともあるかもしれません。大切なことは、自分のジェンダーアイデンティティについて、じっくり考えていいということです。そして自分の、および他者のジェンダーアイデンティティを尊重するということです。