ジェンダーアイデンティティってなに?

今だから考えたい、
ジェンダーアイデンティティって?

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「あなたの性別は何ですか?」ときかれたら、あなたは何て答えますか?その根拠は何ですか?

「身体がそうだから」、「自分がそう思うから」、「みんながそう言うから」、「自分がそう生きたいから」。いろいろな理由が思い浮かぶかもしれませんね。そもそも思い浮かんだ「性別」も人によってさまざまかもしれません。

こういった、人生において積み重なった自分の性別についての認識や感覚を「性同一性」(ジェンダーアイデンティティ)といいます。 そもそも「アイデンティティ」とは、時や場やそこでの役割などが変化しても「自分」は同じ存在であるという感覚の積み重ねのことなので、ジェンダーアイデンティティはその性別に関することということになります。自分の性別についての認識や感覚という意味合いから「性自認」という言葉もよく使われています。
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ジェンダーアイデンティティが、出生時に割り当てられた性別(身体の性別や戸籍の性別、それに沿って周囲が期待してくる性別)と一致する場合もあれば(「シスジェンダー」といいます。「フツー」という名前ではありません)、それとは異なる場合もあります(「トランスジェンダー」といいます)。

今の世の中では、ジェンダーアイデンティティを「女性」もしくは「男性」といった二分法で考えがちですが、そのどちらでもないという感覚や、くくりきれないような感覚をもっていたり(ノンバイナリー、ジェンダーエクスパンシブ、Xジェンダーなど)、その時々によって流動的にジェンダーアイデンティティが変化する感覚をもつ(ジェンダーフルイド、ジェンダーフリュイドなど)といった人もいます。 その他にもさまざまなジェンダーアイデンティティのもち方があり、それぞれにカテゴリー名があったりします。

もしかしたらどんなカテゴリーもしっくりこないという人もいるかもしれません。それほどに、私たちのジェンダーアイデンティティの有り様は多様なんです。

人生の途中で、これまでとは異なる自分のジェンダーアイデンティティに気づくこともあるかもしれません。大切なことは、自分のジェンダーアイデンティティについて、じっくり考えていいということです。そして自分の、および他者のジェンダーアイデンティティを尊重するということです。

よくある悩み

ジェンダーの悩みを親に言えません

近年でジェンダーへの価値観は急速に変わってきました。あなたの親より上の世代は、ジェンダーという言葉すら知らないかもしれません。長年にわたって刷り込まれた価値観や差別意識を変えることは簡単なことではなく、あなたがもしもトランスジェンダーだったら、その理解に苦しむかもしれません。ただ、悪いのはあなたでも親でもなく、そのような価値観を築いてきてしまった社会です。今、社会はもっと良い方向へ変わろうとしています。ジェンダーの悩みを相談できる存在は親だけではなく、たくさんいます。ネットでも気軽に世界中の同じ悩みを持った人とも共感することもできます。また相談窓口で第三者に話を聞いてもらうこともできます。親にも理解してもらいたいのであればそのためにまずは親ではなく第三者に相談するといいかもしれません。