私たちが生きる世界には、それぞれに違う個性を持った人たちが暮らしています。
国籍、人種、宗教、性別、年齢、職種、セクシュアリティ、価値観に関わらず、すべての人間は一人一人が特別であり、私たちが生きる社会に貢献することができます。そして、私たち全員は尊敬される権利を持っているし、また、相手に対して敬意を持って接しなければいけません。
そのような社会を世界中で実現するためには、自分と他人は同じ人間でありながらも、全く違う個人であるという認識を深め、自分以外の人に対する知識を深める必要があります。 そうすることで、自分とは違う容姿や考え方、行動などに対して寛容になり、尊重できるようになるのです。
個人の多様性へと目を向けることなく、特定の生物学的な特徴や社会的な属性、あるいは性的指向などに起因する他者への知識の不足から、これまでさまざまな争いや差別が、歴史の中で繰り返されてきました。たとえ、少数派であったとしても、自分たちとの違いを非難して差別をすることは人権侵害であり、幸福を邪魔することになります。
私たち人類の歴史は、こうした当たり前の事実を認識するために長い時間を費やし、現在も、この考え方が世界中に普及する途中にあります。今、黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える運動「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)」も行われています。また、ジェンダーのもとに意思決定の過程から排除され、無力化されてきた女性たちが問題に気づき、意思決定過程へ参加する機会を獲得することで力を付けるといった、女性のエンパワーメントという考え方も高まってきています。こうした 差別や偏見に対してNOと言うこと、差別されている人に対してサポートをすることが大切です。
すべての人間はユニークであることを知り、それぞれの違いを受け止め、敬意を払って接すること。それが、今の時代を生きるために不可欠な姿勢です。